まけまけいっぱいの愛を

力の限りに、“無意味・無作為に一生懸命な様子”を書き綴っていきます。 好きな言葉は、「どんぶり勘定、くんずほぐれつ、十把ひとからげ」です。

風呂小路にて。

アメリカよりもアメリカな街。西心斎橋

その西心斎橋において、京都よりも京都な場所。

それが風呂小路。本当かどうかは貴方の眼で確かめてください…。

御堂筋とアメリカ村を接続する小さな小路を抜けると、左手に清水湯という銭湯が出てくる。昼から入ると、硝子天井から射し込む光がとても気持ちいい。朝の6時から夜の0時までやっている豪傑な風呂で、何度もお世話になった。

この銭湯に至るまでの小路に、コインランドリーが併設してあり、長方形の秋空と洗剤の香り、穏やかな風に包まれて、洗濯物が終わるのを待っている。

清水湯の銭湯内にあるサウナには、赤茶けた陶磁器の壺がある。心斎橋界隈で拾って身体にこびりついてしまった、愚痴や歯痒さや理不尽さを大声で吐き出すための壺。その壺は毎夜、数多の、汗、涙、汚れ、よんどころない事情や、語り得なかった物語、そのひとつひとつを受け入れ、響かせ、確かめ、甕の底に折り畳まれ、蓄積されていっている。

それが清水湯。本当かどうかは貴方の眼で確かめてください。