2018年鑑賞記録
近況報告などは直接会った人に直接話すとして、ここでは、2018年に観た映画に限って記す。
映画は60本見た。個人的に良いと思ったもの、印象に残ったものを紹介をしていこうと思うのだが、2ヶ月に2本ていどの割合で書くこととする。
仕事でもないのに、すべての感想など書ききれないから。
逆に言えば仕事としてならいくらでも書くので誰か仕事を……なんて言っても世の中にライターもブロガーも溢れかえっている状態で茶を濁す必要もあるまい。蛇足。チクショー!
監督名は省略する。再読、再見もあるが特に記さない。あくまで「今年観たもの」として記述していく。
【映画編】
[1・2月]
〈オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ〉〈シング・ストリート〉
爆音映画祭で見た二本。極音・爆音・絶叫上映と様々展開されていて面白い。〈ベイビー・ドライバー〉は10回くらい見たけれど、去年、散々色んな所で話したからこれは省く。
[3月・4月]
〈Loving Vincent ゴッホ最期の手紙〉〈rainbow thief 虹泥棒〉
ゴッホに関する映画は数あれど、映画史上初の全編絵画で構成されているというのも面白いし、画だけでなく、ストーリーなど全体的に良かった。虹泥棒は去年と今年見たホドロフスキーの中で一番好きだった。
[5月・6月]
〈ダンガル きっと、つよくなる〉〈フロリダ・プロジェクト〉
インド映画はスポーツの出てくる部分を省略しないと聞いたことがあるが、今作もそう。レスリングを何試合もドキュメントで見ているような感覚に陥る。邦題には笑ったけど。
フロリダ・プロジェクトは今年見た中で一番良かった。良いと思うものは余計な言葉を重ねたくない。
[7月・8月]
〈ブリグズビー・ベア〉〈ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目覚め〉
この時期、ラジオ・コバニ、ラッカは静かに虐殺されている、ガザの美容室なども見て、本ではアンダーグラウンド、教誨師などを読み、頭の中で多数の声が聞こえた。この「声」は別の形で発露させる。だからここではなるたけハッピーなのを紹介する。どちらもコメディアン、元コメディアンが作成した映画で笑えるし、ほっこりするし、筋もいい。素晴らしい。
そういえば〈カメラを止めるな!〉もこの時期見た。面白かったし、流行る前に見れてなお、よかった。
真実を炙り出し、突きつけるのも映画であるが、心の中をほぐし、癒やす虚構を生み出すのもまた映画である。創作や表現すべてに通ずることではあるが。
[9月・10月]
〈SMOKE〉
ティーンエイジャーの頃に初めて見た。その頃くらいから、いわゆるハリウッド大作的な映画だけではなくて、様々な種類の映画を見出した、という思い出のある作品。
見直してみると文学的・哲学的な匂いが強すぎるきらいもあるが、ポール・オースター脚本とくれば当然であろう。それがいいのだし。
元になった小説「オーギーレンのクリスマスストーリー」を自分なりに和訳したのは面白かった。添削してもらったらめちゃくちゃだったけれど。仕事じゃないんだから、文法的に正しいか否かは問題ではない。どれだけの密度で作品を飲み込めるかどうかが肝要なのである。
[11月・12月]
〈世界で一番ゴッホを描いた男〉〈ゴッド・ファーザー〉
中国のダーフェン絵画村で複製画を描き続ける男のドキュメンタリー。美大卒の友人に勧めたところ「その人の存在は知っていた」ということ。友人がゴッホ好きだからかもしれないが、有名なんだろう。僕は中国に絵画村があることも知らなかった。現役の美大生に見てほしい。
ゴッド・ファーザーは大好きな映画で、観た人と感想を分かち合うたびに新たな発見がある。数多くの視点を有する作品は素晴らしい。
駆け足で書いてきたけど、割と時間を使ってしまった。年始に持ち越してしまった雑事が山積してるから、読書編は書けそうにない。1月半ばに振り返るもんでもあるまいし……。
本は163冊読んだから、とてもじゃないけどこの量には収まりきらないのだ。
もし、「読書編も読みたい」という人が一人でもいれば日を改めて、書く。