歩道橋にかかる月
陶磁器のように真っ白く燃え立つお月さまが、僕のてっぺんにいます。
僕の実家から一番近い駅は無人駅でした。
歩道橋から見える景色は緑一色。見渡す限りの田んぼの先に低い山々が連なっておりました。ひとっこひとりいやしません。
あの頃は、まさか自分が、歩道橋の上で缶ビール飲みながら、一人で、おつかれさんする大人になるとは思ってなかった。
この町には、30万人以上が暮らしているらしい。
ひとつの区だけで。
あっという間に後2ヶ月経って新しい年を迎えるんだろう。
来年僕はどこで何してるのかな。きっと東京のどこかにはいるだろうけど。
そんなことを連連と思いながらビール飲んでましたらグラグラグラッ!と地面が揺れたので、慌てて歩道橋を降りました。
……………どうやらジョギングしてるひとが歩道橋に上がってきただけみたいでした(笑)
肉まんでも買って帰るかな!