一粒食べれば元気いっぱい。
この前聞いた、楽しい話を。
僕はピスタチオが好き。豆類全般的に好きだけど、ピスタチオは一時期はまってよく、ウイスキーの肴にしてポリポリやりながら映画を見ていた。これでコタツに入ってうとうとしている時なんかもう、至福という言葉しか出てこないくらいだ。終わりなき魔の四角形。「無防備都市」を見ながらこれをやって、内容が一切入ってこなかったことがある。それ以来、ウイスキー、ピスタチオ、炬燵、映画。この4点の併用を避けるようにしている。自らに禁令を課すほど好きなんである。
そんな僕よりもピスタチオが好きな人とこの前喋った。
その人は、一時期はピスタチオしか食べていなかったそうなのである。殻を剥き、ポケットに常備させ、折あればポリポリと…。
理由が凄い。
なんでもピスタチオにはあらゆる栄養素がふんだんに詰まっており、少量でもピスタチオさえ食べておけば問題なく生きていける、とその人は信じていた。
僕は聞いた。
「それで、どうなったんですか?」
「倒れました」
僕は聞きました。
「ピスタチオをドラゴンボールに出てくる千豆のようなものだと思ってませんか?」
「そうですー!!!千豆っ!!!!!」
「千豆食べてどうなったんですか?」
「倒れました」
久しぶりにピスタチオを食べながらウイスキーを飲みたい。