まけまけいっぱいの愛を

力の限りに、“無意味・無作為に一生懸命な様子”を書き綴っていきます。 好きな言葉は、「どんぶり勘定、くんずほぐれつ、十把ひとからげ」です。

遺跡巡りて。

半年くらい前のニュースですが、こういったものがありました。↓

東京外郭環状道路(外環道)の東名ジャンクション(仮称)建設予定地=世田谷区大蔵=に、古墳時代の横穴墓群が見つかり、8月から東京都スポーツ文化事業団が発掘調査を行っている。「殿山横穴墓群」と呼ばれ全部で15基あり、内部からは葬られた「人骨」とともに、鉄の刀などの武器や首飾りなどの装飾品が出土している。

 また横穴墓群の近くでは、本線トンネルを掘り進めるシールド機の発進基地となる立坑(深さ69メートル)が完成。東名道と関越道(大泉ジャンクション)の約16キロをトンネルで結ぶ予定で、都心を通過する交通の流入を抑制し、渋滞の緩和が見込れている。』-産経ニュース

これを受けて、「貴重な文化を守らねば!」というので、凄まじい政治批判とともに工事の中止を訴えるサイトがありました。

経済効果云々の話は一旦、脇に置いておきます。

文化や歴史を守るのは大賛成です。

僕が見たサイトによれば、半年前の時点で9000人近くが賛同されていたということですが、賛同されるのなら、外環道及び東京近郊で発生する渋滞一切について、事故原因問わず絶対に文句言ってはならないよな、と心の中で思ってしまいました(笑)。

仮に数百年後、この土地に、宇宙ステーションの経由地が出来たら、その時の住民達もまた「ここには高速道路遺跡があるんだ!人間がまだ、主に車を使って移動していた時代の貴重な財産なんだ!」と言って保護運動をするのでしょうか。

「今、自分(たち)が行っていることは絶対的に正義なんだ」というような雰囲気が強く感じられるような事象に出会ったとき、僕は強く、こう、思います。

何かを主張する裏には誰かの我慢や不利益が必ずあるのだ、ということ。

今回で言うと、利便性か、文化か。

目的地に早く着けたことによって救われた命も、もしかしたらあるかもしれません。

ところでこのニュースは現在では一体どのような進展をしたのでしょうか。フランスのテロ事件の時も、まるで流行のようにFacebookのアイコンをフランス国旗の色にしている人を多く見かけましたが、今ではほぼ皆無です。話題にも一切のぼりません。なぜ?

事件や事故を風化させないことが大事なんだと折に触れて思います。歴史を学ぶことははそのために非常に大事なんだとも思います。そういった観点から考えていくと、利便性の追及か文化保護か、どちらが大切なことなのかは一概に言えるものでは無いのではないでしょうか。